住職たより　　二〇二一年八月号

　皆さん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか？

残暑が厳しいですが、体調にはお気を付けくださいませ。では今月もお便りをお送りいたします。

「ブスの二十五箇条」というものが宝塚歌劇団の稽古場に貼られているみたいです。

・笑顔がない　・お礼を言わない　・美味しいと言わない　・目が輝いていない　・精気がない　

・いつも口がへの字をしている　・自信がない　・夢や希望がない　・自分がブスである事を知らない

・声が小さくイジケている　・自分が最も正しいと信じている　・愚痴をこぼす　・他人を恨む　

・責任転嫁がうまい　・いつも周囲が悪い、を追っている　・他人に嫉妬する　・他人につくさない

・謙虚さがなく傲慢(ごうまん)である　・人のアドバイスや忠告をきかない　・なんでもないことにキズつく

・悲観的に物事を考える　・問題意識を持っていない　・自分の存在自体が周りを暗くする　

・人生においても仕事においても意欲がない

という二十五箇条です。でもなんで美人の二十五箇条ではないのでしょう？これは「可能性」の話とよく言われています。「美人」の定義をしてしまう事により、逆に多くの可能性を壊してしまう可能性があるからです。ですから「ブス」という「美人」と逆の二十五箇条にすることで、この事に気を付けて日々精進して、本来備わっているその人自身の個性を伸ばしていきましょう、という事なんですね。なるほどです。

　そういえば仏様もそんな感じですね。やってはいけない事はけっこうおっしゃっていますし、質問者から色々な質問が来れば答えておられます。ただ「生き方」の方法を一から十まで全て手取り足取りおっしゃっているかというとそうでもありません。基本的に「悪い事すんなよ」「良い事せいよ」「心を清めろよ」くらいです。基本的には我々の生き方を尊重し、個性を大事にして下さっておられます。いつの世も可能性に満ち溢れています。

　という訳で九月です。十一日はジャズコンサートです。多くの方と

お話しできる事を楽しみにしています。今月もよろしくお願いいたします。

　　　令和三年　八月二十八日

涌泉寺　住職　　　山口　法光