令和4年5月の住職だより
住職たより 二〇ニニ年五月号
皆様、春の気持ち良い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか? しかし、まだまだ寒暖の差がありますから、体調にはご留意くださいませ。
「いやいや、そうじゃないでしょう?」って思う事が、世の中にはたくさんあります。
例えば会議で、話し合いたい本題があるのに細かい事で全然話が進まない。または、本来伝えたい事があるのに、言葉尻だけを捉えて、ああだこうだ、と文句ばかり言って、結局は伝わらない、等々。皆さんも色々と経験がおありかと思います。
「月を指せば指を認む」という言葉が仏教にはあります。
月を指で指しても、肝心の月を見ないで指を見る。つまりは本質を理解しないで、文字や言葉の端々にこだわる事ばかりを言う様のことです。この言葉があるという事は、我々人間と言うのは、そのような目で物事を見てしまう傾向があるという事です。
本質を見るというのは、難しい事です。ワイドショーと呼ばれる番組でも「〇〇はこう言った。けしからん」という風な形で我々に話しかけてきます。そこで、我々がしないといけない事は「けしからん」というだけではなく、実際にその人はどのように「けしからん」かったのかを伝え、その中身を、知る事、知ろうとする事の方が、もっともっと、重要ではないでしょうか。
「やめよう舎利弗。この法華経は難しいから。」お釈迦様も方便品で舎利弗にこう言っています。この言葉は、本質を説くというのは凄く難しい事の証明でもあります。
本質を伝えるという事って実はとっても難しい事なんですね。しかし本質を理解しないと先に進めませんから、話をしていて「この人は私の話を理解していないな」って感じれば、もっと丁寧に説明して、お互いが理解して行動していく事が重要です。
そして法華経は難しいですから、ご連絡いただければ丁寧にご説明いたします。
いつでもお寺までご連絡下さい。お待ち致しております。
では今月もよろしくお願いいたします。
令和四年四月二十九日 涌泉寺 住職 山口 法光
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