令和3年8月涌泉寺だより
ご回向
八月は特にお盆と言うこともあって、いつもより熱心にご先祖様をはじめ亡くなられた方々に、手を合わせ、お経やお題目を唱えられる方々が多いと思います。 ご回向は廻向とも書きます。ご先祖など亡くなられた方々に手向(たむ)けるお経・お題目は、亡くなられた方々に届き、亡くなられた方々からの喜びのお返しが功徳=善きこと・人生の目に見えぬ貯金、となってあなたに巡って帰ってくるという教えです。 なので、特にお盆やお正月には、多くのご先祖方がこの世に帰ってこられるので、特に熱心にご先祖様方にご回向を成されるように、お寺ではお勧めしています。 そうしたら、人間様だけではなく、皆さんのお宅で可愛がっておられた、愛犬や愛猫などのペットちゃんは、どうなるのでしょうか。もっと言えば、蛇やイグワナなどの珍獣や、金魚などのお魚ちゃんや、我々の気分を目から良くしてくれた、お花ちゃんなどは、どうなるのでしょうか? 法華経以外のお経では、仏さまになれる(成仏できる)のは人間だけです。人間以外の魂を有する動・植物は仏にはなれません。 今頃は、人間だけではなく、ほかの動・植物も成仏を願ってお供養や、果てはお葬式もなさるのが、流行っているのが現状です。 今から去る二千五百年前、インドでお釈迦さまと呼ばれるお方=聖者・生き仏、が人々の一人ずつに『お前はこのようにして日々の生活をし続ければ、安心安全に日々を過ごすことが出来るから努力しなさい』と励ましておられました。 お釈迦様の励ましやお言葉集がお経となって今に伝わっています。しかしその対象は、あくまでも人間を相手に唱えておられまして、他に命を有する者を対象にはしていませんでした。 お釈迦さまも七十歳にしてやっと事の重大さに気が付かれました。お釈迦さまは聖者ですし生き仏ですから、ご自分の寿命が八十歳であることが分かっておられ、亡くなるまであと十年しかありません。 一人一人に合った教えを説いていたので、お釈迦さまが亡くなったのち、あとに残されたものは、果たしてお釈迦さまは一体何を言おうとしていたのかバラバラで意味不明になります。これでは争いの元となるので、みんなに『今まで言ったことはいったん置いておいてくれ。これから言うことが、私が心から皆に伝えたいことだか |
涌泉寺だより R・三・⑧ 発行者 涌泉寺 院首 山口法博 |
ら心して聞いてくれ!』と言い出したのが、【法華経】と言う教えだったのです。
法華経以前の教えはあくまでも人間を対象にしていましたが、法華経を説かれてからは、命を有する動・植物を始め、全てを対象に、それぞれに合った修行の結果、みんなお釈迦さまと同じ、仏さまに成れると、お説法をなさっておられます。これでも、法華経の教えの一部分です。 今はお盆月です。亡くなられた方々の冥福を祈って一心にご回向をさせて頂きましょう。 ここで、よく言われる【冥福・めいふく】とは何でしょうか。 我々は、体と言うご先祖様から頂いた肉体の中に、お釈迦さまからこの世に遣わされた魂(命)を宿していただくことによって人間としてこの地球上で活動が出来るのです。この世に人間として生きています。 死とは、せっかく宿していただいた魂(命)が肉体から何らかの事情で離れるということです。 肉体は亡くなりますが、魂(命)は生き続けて、仏の世界で法華経の修行をしながら、この世に肉体を再び頂くべく、あの世【仏界】で生きています。 冥福を祈るとは、魂となったご先祖方に苦しまないで安楽に仏道修行が出来ますようにと祈る、思いです。 そして早くこの世に帰ってこられることを願って法華経・お題目と言う『力水』を差し上げるのが『ご回向』なのです。 もっと分かり易く言えば、ご先祖様方に、『仏界でいくらしんどく・つらくても頑張って早くこの世に帰ってきなさいよー』とエールを送るということです。 皆さんがエールを送る度に、ご先祖の何人かは、この世に戻ってこられています。 そのうちの一人がこれをお読みになっているあなたですよ! この世に帰っていることなどツユも知らず『ガンバレ・ガンバレ』とあなたはエールを頂き続けています。ですから、いつも誰かに後ろから押されているように、この世で元気に毎日を送ることが出来ているのです。 『ガンバレ・ガンバレ』とエールを頂いている以上は、そのお返しに、ご先祖方に心からご回向させていただく(お返しのエールを送る)ということは当然でしょう! ここで法華経の十二番目のお経【提婆達多品】を訓読と言って読み下し文を、嫌になるほど、ワンチャンや猫ちゃん、何でしたら幽霊さんにも、何回も何回も読んで聞かせてください。それはそれは腹が立つほどゆっくりと何回もお読みください。あなたも有難くて涙が出ます。 |
【法華経】とは
命のあるものは
全て
お釈迦さまのような
仏になれる教えです。
人間だけでなく
ワンちゃん・ネコちゃん
お魚さんもお花も!
みーんなみな。
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