1. HOME
  2. 涌泉寺だより・月案内
  3. 涌泉寺だより
  4. 令和3年11月の涌泉寺だより

令和3年11月の涌泉寺だより

柿の妙符

 皆さんは柿がお好きですか。私は果物全てが好きです。涌泉寺には、甘い富有柿の木が、駐車場の三段上に二本、お寺の入り口左鐘楼堂の横に一本、私が住まいをしている倉垣別院に一本、合計四本有ります。

 そのほかの果物が、駐車場の三段上に鉄の柵が見えていますが、そこにはキューイフルーツがあり、その左端には梅の木が二本有り、その奥の段にはハランキョウが一本あります。ほかに小さな柿が生る木がありますが渋柿です。栗の木も何本かあります。

 このように書けば果物の宝庫ですが、全て生りっ放しで手入れなどしたことが無く、ましてや肥料など蒔いたことなどありません。その癖、美味しい実だけ頂き、実の生らない木には『実が生らないのなら切ってしまうで…。』と不足を言う始末です。

 ご近所の農家の方からは『お上人さん、エサ(肥料)もやらないで、そのような無茶なこと言ってあげたら木が可哀そうやで』とよく言われます。

 亡くなった家内が健在の時分は、梅が出来た時には、梅酒や梅干を作って檀信徒に差し上げていました。栗の季節には、お世話になった方々にお送りさせていただきました。キュウイが出来た時には、リンゴをたくさん買ってきて、大きなナイロン袋にキュウイとリンゴを入れて密封して、熟させては配りました。柿が出来た時には、一部は柿の妙符をつくり、お会式時に渡して、残りをあちらこちらと持って行かせてもらいました。

 家内も私も、差し上げて喜んでいただけるならセッセと差し上げました。家内が亡くなってからはそう言うことも出来ないので、木もよくわきまえてくれて、思うほども生ってくれません。

 今年は、キュウイは、去年は小さなのが二十個ほど出来たのに、今年はゼロ。ハランキョウは、私が住職になった次の年に五個ほど生ったきり毎年ゼロ。梅は、出来てもそのまま放置のため一キロぐらい生ったでしょうか。栗は、イノシシのエサにと思っていますので分かりません。柿は、駐車場の二本は昨年並み。いつものように神戸のお師匠様の処に十キロほど持って行かせていただき、柿の秘妙符を百個ほど作り、翌日、近所の檀信徒に配りました。倉垣別院は五個ほどと不作。

処が、お寺に入って左の、毎年五個ほど申し訳に生っていた柿の木が、豊作も豊作、大豊作で鈴なりに生っていました。昨日一日がかりで御符を作って、柿を神戸まで配達してやれやれと思っていましたのに、念のために

涌泉寺だより R・三・⑪ 発行者 涌泉寺 院首 山口法博
確認して大変驚きました。

 木自体、どおせ柿のくせに実が生らないと、枝も切らずに放置していたので、大きな木の天辺迄が今年に限り、鈴生りとなっています。木の下には、熟して落下した実が十個ほど道路でペシャンコになっています。

 さすがに高所のは採れませんが、出来るだけ採取して二百個ほどになりました。熟し過ぎたり落として割ったのが五十個ほどありましたが、柿の妙符が百五十個ほど出来ました。

 昨日お寺の近くの檀信徒五十軒にお配りさせて頂いてやれやれと思っていましたのに。明日から又、七十軒程だし遠方までだから、今度は、二日間は掛かるでしょうが、配らせていただきましょう。皆さんニコニコ顔で受け取っていただいていますから・・・。

 今回は柿の実で秘妙符を作りましたが、日蓮宗ではこの他にいろんな秘妙符があります。

 ほとんどは秘伝ですから、毎年行われている荒行堂にて修行中に伝えられていますが、秘妙符を使って檀信徒をお助けさせて頂こうと思っている修行僧が、いろんな秘策を講じて、先輩上人から聞き出すものですから、その気の無い修行僧は、何も知らずに、ただ行を終えるだけです。

 私は転んでもただでは起きたくない性格ですし、お師匠様からコンコンと聞かされていましたので、いろんなことを先輩僧から伝授して頂きました。

 ほとんどが何百年と伝えられている秘物ですから、現実に通用するものがなかなかありませんが、いろんな工夫を凝らして、自分なりに作っては檀信徒の皆さんを、お助けさせていただいています。

 秘妙符ですから、神仏の神力が宿らなければなりません。秘妙符を頂くお方も、この秘妙符には絶対神力が宿っていると信じて、お題目(南無妙法蓮華経)を一心に唱えながら、頂いたり身に着けることで、その秘妙符の効果が表れます。これは本当に不思議な現象です。 

 私は荒行を修行中に自分で体感したものを、皆さんにお渡ししていますから、私がお渡しする秘妙符は自信をもってお渡ししています。

 お渡ししています秘妙符は、お薬でもなく、手品でもありませんので、効果が現れるお方と効果の無いお方がありますので、秘妙符をお渡しした方全てに神力が得られるように、益々修行を致さねばと思っていますが、年とともに気力の衰えを感じて、日々少し焦り気味です。

 あとは若い住職に、如何に引き継がせるかが問題です。

 若住職を信じ頼って下さい、それなりの僧侶ですから。

荒行堂では行堂の守護神の神力と行僧の経力が、

お寺では各堂・地所に宿る神力を、

得た者だけが徳が得られる。

扨、徳が得られるようどのように行動する?

涌 泉 寺

関連記事

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。