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令和3年11月の住職だより

住職たより  二〇二一年十一月号

 皆さん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

朝晩がだいぶ涼しくなりましたが、いかがお過ごしでしょうか?今月もお便りをお送りいたします。いつものように、心を静めて、お読みくださいね。

今回はとあるカバのお話しをします。

 ある所にカバがいました。カバが川を渡ろうとする時に、食糧を落としてしまいました。「これは大変だ!」カバは必至になって川の中を探しました。前後左右を見て、体のどこかにないかバタバタさせながら探しましたが、見つかりません。川岸にいる鳥や動物たちは「そろそろ休んだら?」と助言しましたが、カバは必至になって探します。でも見つかりません。とうとう疲れ果ててその場に座り込んでしまいました。 カバが動き回るのをやめると、川は静寂さを取り戻しました。するとカバがかき回して濁らせていた水は泥が沈み底まで透き通って見えるようになりました。「あ!」カバは探していた物を見つける事ができました。

 

というお話。今を生きる人に「無駄な時間を使うな!」とせわしなく働く事が多いように思います。仏教にも人として(菩薩として)六つの大きな修行があります。布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧です。そのうちの一つ『禅定』です。すなわち「座禅」という修行です。これはインドの「ジャーナ」が語原です。この「ジャーナ」という言葉の意味は「心を静かに保つ」という意味です。今回のカバのように、茶色の泥水を忙しく動かしているのが日常でよくある事です。お釈迦様も行っていますが、ふと立ち止まって、心を静かに保つことで、心の舞い上がった泥を沈めてみましょう。そうすれば、また新しい発見がある事間違いなしです。

 

それでも中々心の泥がキレイにならなかったら、一度お寺に足を運んでみて下さい。お釈迦様やそのほかの諸天善神様が、皆さんの心をきっと透き通して下さいますよ!

では今月もよろしくお願いいたします。

 

  令和三年 十月二十八日

涌泉寺 住職   山口 法光

 

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