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令和3年2月の涌泉寺だより

お仏壇のお話

 涌泉寺だよりをお読みの皆さんのお宅にはほとんどお仏壇がお有りだと思います。しかし、今あるお仏壇はいつから有りますか?親の代から引き継いだのは別として、大体、親などが亡くなられてから慌ててお迎えになられていると思います。

 私はよく時代劇を見るのですが、お仏壇はないがお位牌だけを置いてお茶お水・おローソク・お線香でお仏壇となっている場面によく遭遇します。私がお参りするお宅でもそういうお宅が何軒かあります。

 さらに、子供が結婚をして所帯を持つという時でも、昔は所帯道具にお仏壇を持たせたものですが、今の親は皆無だと思います。

 何故なのでしょうか。昔は習慣で物事が進んでいた部分が大いにですが、今では何故そのようなものが必要なのかと、意味を言わなければならない時代なのです。

 そこで菩提寺等のお上人が、常日頃からお仏壇がある事の存在意義を檀信徒に言わなければならないのを、言わなかったところに、現代の状態を生んだことになるのではと思っています。

 ではお仏壇とは・・・。

 あなたの菩提寺(檀家寺)の本堂にお祭りしている仏さま方を、お宅でもお祭りさせていただけるということです。

 私も涌泉寺の住職を引退して、新しくお寺の近所に居を構えたのでそこに、涌泉寺の本堂の仏さまをお祭りしています。涌泉寺の別院(会社でいう支店です)を構えそこの主、すなわち院首です。

 お釈迦さまは、一番に、今生きている人々が、日々安心安全に生きることに心を砕いて下さっています。亡くなられた方々はその次です。

 先祖代々からお世話を戴いているお寺を菩提寺(檀家寺)と言います。その菩提寺を知らないと言われるお方が多いですが、結婚をして一家を構えた時にお仏壇を作って菩提寺さんから仏様をお迎えしていればそのようなことは無いのです。

 菩提寺の仏様方は、新しく一家を構えた家族の日々の暮らしが、安心安全に続くことを願って、ご守護をしようと思ってくださっています。

 ですから新しくご結婚などで一家を構えられた方だけではなく、進学・就職などで、親から独立した方々も、それぞれにお仏壇を作ってご守護を戴いて下さい。

 親御さんもそのようにお勧めください。

涌泉寺だより R・二・③ 発行者 涌泉寺 院首 山口法博
私たちは、親を基としてご先祖皆さんの体の一部分ずつを頂いてこの体があります。

この体に仏さまから当てが得られた、命を吹き込んでいただいて、皆さんの今があるのです。ですから、親をはじめとしてご先祖様方を大切に思いお供養・ご回向させていただくのは当たり前のことです。

私たちが今生きているのと同じように、ご先祖方もあの世で立派な菩薩になれるように生きて、仏道修行をなさっておられます。大変な修行ですから、今生きている我々がご先祖方にお力(活力)をお送りさせていただくのが、お供養でありご回向なのです。

ご先祖様方をお供養させていただくのに、また新たにご仏壇が要りますが、一家に二つのお仏壇は大変ですから一つにまとめるべく、ご守護神さまをお祭りしているお仏壇で、ご先祖のお供養をさせてもらうために、ご守護神のお仏壇の一段下にご先祖方を置かせていただいています。この形態がお仏壇なのです。

お仏壇はご先祖方をお供養させていただくための箱ではありません。まず家庭を持ったら、一家の経済の安定と子供の成長を願うために菩提寺さんから仏様方をお迎えして菩提寺の支院を家庭の中に設けます。それがお仏壇です。大きなお仏壇でなくても結構です。手ごろな大きさの物を、ぜひリビングにお迎えください。

ですからあなた方は菩提寺の院首なのです。

亡くなられたときに戒名の初めに何々院と言う院号を菩提寺さんが付けて下さいますが、お仏壇を設け菩提寺さんに開眼して頂いたときに、院号をつけて頂くのが普通で、院号は亡くなってから頂くものとは違いますし、院号料と言うお金を要求され改めて支払うものでもないと思っています。

菩提寺のお上人さんをお宅にお招きしてお仏壇を拝んでいただき、皆さんが菩提寺さんにお参りさせていただくと、ご家族のご守護に疲れた仏様方が、菩提寺に帰り、代わりに菩提寺の元気な仏さまが、皆さんのお仏壇に入っていただき、より一層のご守護がいただけます。

ですから、家族が日々安全安心に暮らせるように菩提寺さんとの交流を深めてください。

昨今は、信教の自由の時代です、菩提寺さんを自由に変えることができます。

心から信頼がおけて、家族の安全安心を任せられるお寺さんとで、益々の信仰を深めて頂きたいと思います。

お仏壇をお迎えすることで、物事に感謝の念が芽生え、人を敬うようになって、子供の情操教育にもなり、家庭内が円満となること間違いありません。

お仏壇の仏様方に、家族一同が

充分、コロナ禍から守っていただけるような仏さまに成って

頂きましょう。

 

涌泉寺

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