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令和3年12月の住職だより

住職たより  二〇二一年十二月号

 皆さん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

だんだん寒くなってまいりましたが、お変わりは御座いませんか?風邪などで、体調を崩されませんようお気をつけてください。今月もお便りをお送りいたします。

「人間に生まれて幸せですか?」ある時、お釈迦様が阿難という弟子に尋ねました。

「大変喜んでいます」阿難は答えました。「ではどれくらい喜んでいますか?」続けて、お釈迦様は質問をしました。「はたしてどれくらいだろう?」阿難は答えに困りました。お釈迦様は、たとえ話を交え次の質問をしました。

「果てしなく広がる海の底に、目の見えない亀がいた。その亀は百年に一度、海面に顔を出す。広い海面には一枚の板が浮かんでいる。その板の真ん中には小さい穴がありている。板は風に吹かれ、波に揺られ、色々な所へ行く。そんな時に目の見えない亀が浮かび上がった拍子にその板の穴にひょいっと頭を入れる事があると思いますか?」

 阿難は当然の顔をして答えます。「お釈迦様、そのような事はとても考えられません。」

「絶対にないと言えますか?」お釈迦様は質問をしました。阿難は答えます。「お釈迦様、絶対にないとは言えませんが、何億年、何兆年かかれば一度はあるかと思いますが、ほぼないと言っても間違いありません。」そう阿難が答えるとお釈迦様は言いました。「人間に生まれるという事はその亀が板に頭を入れる事よりも難しい事です。それほど尊くてありがたい事なのです。」

 

 最近の研究では「あなたがあなた」に生まれる確率は「一億円の宝くじが百万回連続して当選するものと同じ。」と言っている研究者もいます。それくらい我々が人間として生まれるという事って、とても稀な事(特別な事)ですから、尊いんですね。

今年ももうすぐ終わりですが、やり残した事はないですか?終わりよければすべてよしです。素敵な一か月になりますように。「今年、涌泉寺に行っていないな。」

という方はいつでもお待ちしております。

では今月もよろしくお願いいたします。

  令和三年 十一月二十八日

涌泉寺 住職   山口 法光

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