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令和3年12月の涌泉寺だより

年の終わり

 令和三年最後の、お便りとなりました。

 涌泉寺では、十二月の行事予定を同封しています。一年の最後の月に、一回は、この一年を振り返って悲喜こもごもの事柄を反省する行事(懺悔滅罪祭)を設けております。ご参加くださり罪や汚れを洗い流してください。

 人生だけではなく、物事には必ず山あり谷ありが、あります。その都度反省をして次の第一歩を踏み出すと、割と失敗は少ないと思います。

 そして、何かがあった時には自分だけ一人で考え込むのではなく、常に信頼のおける相談者を設けて相談をしながら人生を歩むのが賢者ではないでしょうか。

 人生のアドバイザーですが、法華経の中でお釈迦さまが仰いますのは、十二番目の提婆達多品と、二十五番目の観世音菩薩普門品で説いておられます。

 提婆達多品では、前半に、お釈迦さまの従弟の提婆達多は、同じ釈迦族で従弟のシッダルダ(お釈迦さまの俗名)が釈迦族の聖者(釈尊)と言われ、皆から仰がれる存在が羨ましくて、殺そうといろいろ策を講じますが、相手は仏さまですから、ことごとく失敗して成功しません。

 それを見たお釈迦さまのお弟子方やご信者方は口々に『この世で一番の大悪人は、従弟でありながら、お釈迦さまを何度も殺そうとした、提婆達多ほどの大悪人は居ない』と言いますが、それをお聞きになったお釈迦さまは『いやいや、提婆達多ほどの善人はこの世にいません。私の前世は矢張り王であった。その時、法華経が知りたくて学びたかった時、王であった私に法華経を教え導いて下さった仙人の生まれ変わりが、今の提婆達多なのだ。私にとっては大切なお師匠様なのだ。どうだい、分かったかね、その時、仙人であった提婆達多が居なければ、今、この世で釈尊として皆に法華経を広めることはできなかったであろう。嘘だと思うなら、提婆達多の死後を見てご覧、ほら、天王如来と言う佛になっておられる。』

 今この世で極悪人と言われる人でも、前世でどれ位の大善人であったか分かりませんし、皆さんにとってどれだけ嫌いな人であっても、あなたをこの世で救っていただける大恩人かもしれません。

 お釈迦さまは、法華経の中で、法華経の信者と成るように導いて下さるお方や、人生の善きアドバイザーのことを【善知識・善知識者】と言われます。

 人と言いますのは、人生において、前述の通り、心から信頼のおける相談者・人生のアドバイザーを得るということが、自分のあの世においてまで影響をするという

涌泉寺だより R・三・⑫ 発行者 涌泉寺 院首 山口法博
ことですから、良き友達を選ばなければなりません。飲み友達・博打友達・遊び友達・釣り友達等々、友達にもいろいろですが、お釈迦さま・法華経の言われる、善き友達=善知識 を得て充実した人生をお過ごしください。

善知識

 皆さんは、妙法蓮華経観世音菩薩普門品二十五は良くご存じだと思います。

 いわゆる、観音経のことです。このお経は観世音菩薩・観音さま、のことが説かれているお経です。

 観音さまは、三十三身=人の悩みを救うのに三十三種類、変化(へんげ)して、その人に寄り添い、悩みを解決してくださる、となっています。

 人にとって非常にありがたく霊験もあるということから日蓮宗だけでなく、他の宗派でも迎え入れて、さも自分たちの宗派の仏さまのように扱われています。

 観音さまは法華経にしか出てこない日蓮宗の仏さまです。そして、観音さまはなぜ三十三に変化するかと言いますと、三十三とはたくさんと言う意味なのです。

 ではたくさんとは何か?そうです、自分以外の全ての人々と言うことです。自分以外の人は皆んな観音さまなのです。以前にも申しました通り、法華経の初めのところに書いてある通り、人間とはすでに菩薩としてこの世に望んで生まれてきています、と書いてあると言いました。またこうも書かれています。悪神と言えども神なり!

 悪神の代表は鬼子母神さまです。鬼子母神さまはお釈迦さまに、自分の過ちを懺悔して神になれたのです。

 人生って、腹の立つ事・苦しいこと・悲しいことなど嫌な事の方が多くて自分にとって都合の良い事ってほんの一握りしかありません。これを人生の試練と言います。

 この試練を作って下さっているのが、自分以外の自分をおとしめる嫌いな人・悪神・観音さまの事です。この試練を避けずに乗り越えてこそ真の人間=菩薩なのです。

 そうです、自分以外は全て自分を救ってくださる仏=神なのです。と言うことは、あなたも自分以外の人を救う立場の仏=神なのだということが理解できたと思います。そうです、これが【善知識・善知識者】なのです。

 来月一月は、令和四年と言う、日蓮聖人がお生まれになって満八百年を迎える善き年の最初の月です。今からいろいろ策を講じて、日本国中全ての人に、

我々は自分以外の人の範となる如来の子供なのだ!

自分以外の人をお助けさせていただく菩薩なのだ!

 と言うことを自覚し、大声で、広めてください。

 令和四年はきっと良い年になると確信しています。

私たちは

お釈迦さまの

子供だ!

自分のことは

さて置いて

他人様の

お役に立つ

菩薩だ! 涌泉寺

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