令和3年2月の住職だより
住職たより 二〇二一年二月号
皆さん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか?
今月もお便りをお送りいたします。まだまだ寒い時期が続きますので体調には気を付けてくださいね。
さて二月と言えば節分ですね。この節分について今日は少しお話をしようと思います。
日本では古来、一年を二十四の季節に分けていたみたいです。「立春」は皆様も聞いたことあるかと思います。立春や立夏、立秋、立冬は季節の始まりを指し、さらに春分、夏至、秋分、冬至など、それらも二十四の季節のうちの一つです。立春は春の始まり。つまり一年の始まりでもあるわけです。
立春は毎年二月四日にあたっているため、その前日の三日がちょうど節目となる日になります。だから「節を分ける」という意味で「節分」と書きます。そして季節の移り変わりには悪鬼がつきやすいと言われています。だから、新しい春を迎える前日に病や悪鬼を追い払おうというのが節分の起源となった訳です。
節分の時には豆をまくご家庭もあるかと思います。豆はいわゆる種です。 種はやがて発芽し生長するというものすごい生命力を宿しています。その生命力を「いただき」健康を願うというわけです。だから豆をまいて一年の無病息災(健康で無事であること)を願うのです。
ちなみに掛け声についてですが、我々日蓮宗では「福はうち」は言いますが、「鬼はそと」とは言わないんですね。なぜなら読むお経の『妙法蓮華経』には、守り神として鬼子母神(きしもじん)が出てくるからです。鬼子母神さんは、いつもそばにいて皆さんを守ってくれているので鬼は外とは言わないのです。「福はうち!」「福はうち!」って豆をまいてもらえるとより一層御利益が頂けると思います。
ちなみに今年の節分は二月二日です。今年の立春は「二月三日午後二十三時五九分」と一分だけ二月三日に食い込んだためです。このため、今年は「立春の前日」と
定義されている節分も、一日だけ早まり二月二日となります。
是非とも、節分の日にはたくさんの豆をまいて、
素敵な一年の始まりにしてくださいね。
今月もよろしくお願いいたします。
令和三年 一月二十八日
涌泉寺 住職 山口 法光
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