住職だより R7.7 「いざ万博へ」

住職たより 令和7年7月号 「いざ万博へ」
みなさんこんにちは。
いかがお過ごしでしょうか。
先日、私は平日にお世話になっている会社の
レクリエーションの一環として、大阪・関西万博に行ってまいりました。
万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。
訪れたのは土曜日、そしてあいにくの雨模様でした。
しかしながら会場には本当に多くの方が集まっていました。
時折降る大雨の中、傘をさしながら歩くのも一苦労でしたが、
そんな中でも会場全体がワクワク感で満ち溢れているような雰囲気でした。
当日は人気のパビリオンの予約が取れず、
実際に入れたのは「オーストラリア館」ひとつだけでした。
そして時間がありましたので、
大きな屋根にぐるりと囲まれたリング「大屋根リング」と呼ばれる回廊を
一周歩いてみました。一周が2キロほどあり、
良い散歩になりました。
そこで見える景色や聞こえてくる言葉、そして人々の表情から、
さまざまな国や世代が今この場所に集っていることを実感しました。
中でも印象的だったのは、雨の中でも皆、「笑顔」だったこと。
子どもたちのはしゃぐ声、日本人だけでなく異国の言葉で語り合う人々、
そして長い列にも文句ひとつ言わず待ち続ける人の姿…。
まさに「いのち輝く未来社会」とは、
こういう時間や空間そのものかもしれない、と思ったのです。
輝くいのち――それは特別な才能や、
立派な功績を持つ人のことではないと思います。
雨の中でも笑顔でいられること、
混雑の中でも誰かを思いやれること、
そして、共に歩き、共に待ち、共に今を楽しめること。
それらすべてが、お釈迦様からの眼から見れば
「まさに輝くいのち」なのだと感じました。
お釈迦様は、私たちはみな「仏性」という輝きを
内に宿していると説いておられます。
特別なことをしなくても、誰もがすでに
「尊い仏と成る種を持った存在」としてここに生きている。
今回の万博を通して、私自身、そんなことを
あらためて感じさせてもらいました。
笑顔や思いやり、誰かを想うお気持ち、
そんな日々の先に「いのち輝く未来社会」が
あるんだと、今回の万博で感じました。
令和7年7月4日 涌泉寺 住職 山口 法光
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