住職だより R7.4 「詐欺師から学ぶ」

住職たより 令和7年4月号 「詐欺師から学ぶ」
みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?
先日、日経新聞で読んだ記事に胸がざわつきました。
詐欺や債務整理の被害に遭った方が、
さらに法的支援を装った偽広告に騙される“二次被害”が急増しているというのです。
「詐欺の被害金は必ず返金されます」「国が認めた借金救済措置」
──SNSやネット上に流れるこうした言葉を信じて、
心細くなった方々が着手金を支払ってしまうのです。
しかし何も解決されない。
相談すらもアプリ上で完結し、
弁護士の顔すら見えないまま連絡が途絶える。
加害者があまりに非人道的で、胸が痛みました。
地獄行きですね、こういう人は。
いや、そもそも人とは呼べないのかもしれません。
でもただ怒りに震えるだけで終わってはいけません。
大切なのは「悪者からも学べ」という視点です。
今回でいうとこのどうしようもない「詐欺師」から学ばないといけません。
彼らはそもそも何から着想を得たのでしょうか?
おそらく「信頼」に付け込んだものだと思います。
「弁護士だから大丈夫だろう。」
「ネットでたくさん広告が出ているから大丈夫だろう」
こういう所でしょうか。
更にはアプリで完結したり、LINEで契約できたりと、
顧客導線が非常に簡略化されている点も見逃せません。
こういった依頼のハードルが下がる仕組みは、
善悪問わず売上に直結することになります。
学ぶべきところはまさにその「信頼の設計」です。
彼らは善人の「仮面」をかぶりながら、
ネット広告や肩書き、簡単な導線設計を武器にして、
迷っている人の心を一気に引き寄せている。
…これって、やろうと思えば、私たちもできるんですよね。
もちろん、使う目的が違います。
あちらは「搾取」、
こちらは良い商品や良いサービスを届けよう、
みんなに楽しんでもらおう、という「素敵な想い」です。
「権威」「繰り返し露出」「簡単で安心できる導線」──
これらを正しく使えば、きっと誰かの力になれるはずです。
日経新聞の記事に対してただ怒っていても、世界は変わりません。
「悪から学び、善に活かす」
それが、私の信じる素敵な人としての在り方です。
それでは今月もよろしくお願いいたします。
令和7年4月1日 涌泉寺 住職 山口 法光
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