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住職だより R6.12 四弘請願 〜生きる指針〜

住職たより  四弘請願 〜生きる指針〜   令和6年12月号

あっという間に十二月です。この一年を振り返ると、達成できたこともありますし、やり残したこともあります。
それぞれに思いを巡らせながら、来年はもっと良い年にしたいと願うのは、多くの人に共通す気持ちかと思います。

さて今回は「四弘誓願」のお話です。法要の後の方でよくお唱えするので、馴染みのある方も多いのではないでしょうか。この四つの誓いは、日々の生活をよりよくするための指針とも言えます。

「衆生無辺誓願度(しゅじょうむへんせいがんど)」
どれだけ多くの人が助けを必要としているかを考えると、すべての人を救うのは難しいと感じるかもしれません。しかし、目の前の小さな親切から始めることはできます。来年は、自分の力で誰かを支える瞬間を大切にしてみようと思います。

「煩悩無数誓願断(ぼんのうむしゅうせいがんだん)」
私たちは日々、欲望や怒り、嫉妬といった感情に振り回されがちです。しかし、それらを完全に断ち切るのではなく、自分の感情を理解し、穏やかに保つ努力をするだけでも、生活は大きく変わります。来年は、心の余裕を持つことを心がけたいです。

「法門無尽誓願知(ほうもんむじんせいがんち)」
学びに終わりはありません。新しい知識を得ることは、自分自身を成長させる鍵です。例えば、新しいスキルに挑戦したり、本や経験から得た知恵を深めたりすることが含まれます。来年は、日々の生活に小さな学びを積み重ねたいと思います。

「仏道無上誓願成(ぶつどうむじょうせいがんじょう)」
完璧な自分を目指すのではなく、理想の自分に一歩でも近づける努力を続けることが大切です。少しずつ進むその姿勢が、自分自身や周囲の人に良い影響を与えます。来年は、自分の目標に向かって、確実な一歩を踏み出していきたいです。

四弘誓願は、法要の最後に唱えられることが多く、一つの締めくくりとしての意味を持ちます。
それは、私たちの一年の終わりにも似ています。十二月もまた、感謝と反省を胸に一年を締めくくり、新しい年に向けて希望と決意を持つ時期と言えるのではないでしょうか。
四弘誓願は、仏教の深遠な教えですが、私たちの日常にも通じる大切な考え方です。今年一年の感謝を胸に、そして来年への希望を抱きながら、この四つの誓いを心の中に持って、良い年明けを迎えたいと思います。それでは皆様良いお年をお迎えくださいませ。

来年もよろしくお願いいたします。
令和6年11月28日   涌泉寺 住職  山口 法光

追伸
この四弘誓願をお唱えした後では、必ずお題目を三度、お唱えいたします。
お題目三回唱えると言うことは、お釈迦さまと、絶対の、お約束=誓願をしたことになるのです。
四弘誓願とは、四つの言葉を、命を懸けて広めることを、お約束をします。と言う意味です。
住職は、敢えて優しい言葉でお教えしてくださっていますが、皆さん実行してくださいね!
お釈迦さまと言う仏さまは、我々人間はご自分の子供だと言い切っておられますから、
四弘誓願を実行なさった暁には、何らかのご褒美(功徳)を下さることは間違いありません。
                   涌泉寺 院首 日修

 

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