住職だより R6.11 〜成長の4段階 その2〜
住職たより「成長の4段階」その2 令和6年11月号
前月の続きです。学習には四段階があると前回、お話をしました。
これは学習に限らず、生活習慣の変更や、物事の達成についても同様のことが言えます。
成功している人を見て、「あの人は才能があるから、私とは違う」と思ったことはありませんか?
私はよく成功している人を見てはそう思っていました。でも実はそうでないんだなって最近思っています。
今や大リーグで大活躍の大谷翔平選手だって、生まれた赤ん坊の時からスポーツ万能だったかとなるとそれは違います。生まれたての赤ちゃんの球速が160キロなど現実世界ではあり得ない話です。遺伝子レベルでは個人の差はあるかもしれませんが、努力は不可欠です。最近、彼が高校時代に書いた目標達成シートを見ました。びっくりしました。いや皆さん、ぜひ見てください。目標を立てた段階ではおそらく「有意識無能」状態です。前回はダイエットの例を出しましたが、この段階が一番辛いです。わかっているけどできない、誘惑が多い、色々な障害が現れます。それに負けずにやり切ったので、今あれだけの活躍をしていると思っています。
そうです。重要なのは「決めたことをやり抜く」ということです。成功している人に共通しているのは、ただ「無意識無能の状態に戻らない」と決めて、日々の取り組みを続けているということです。その結果が優意識有能になり、無意識有能となります。
『法華経』の「薬草喩品」には、すべての植物が同じ雨を受けて育つけれど、それぞれ異なるペースで成長すると説かれています。庭の植物を見ても、一部の草花は早く咲き誇り、他の木々はゆっくりと根を張りながら大きくなります。同じ環境でも、成長にはそれぞれ違う道があるのです。私たちも、他人と比較する必要はなく、自分に合ったペースで進んでいくこと、そしてやり切ることが大切だとお釈迦様はおっしゃっています。
結局のところ、成功は一夜にして訪れるものではありません。自分の道を見つけ、それに向かって日々努力を積み重ねていくことで、必ず結果がついてきます。他人と比べるのではなく、自分自身の成長に集中することが大切なのです。さて2025年の足音がします。今年一年を振り返り、来年に向けた目標を考えるなど、次のステップへ静かに準備を始める時期だと思います。一歩一歩、確実に歩みを進めて素敵な人生を過ごせるように、日々を暮らしていきたいものです。
令和6年10月28日 涌泉寺 住職 山口 法光
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